vol.7 所謂ロック
「どんな音楽やってんの?」 初めて会うヒトと話をすると、大概こんな質問をされます。
僕は、バンドをやっています。
曲と詞を自分が作り、メンバー三人の予定をなんとか合わせてリハスタで練習、そして月に一回ライブハウスでライブ。これが、今の自分の生きがいのひとつなのです。
まあ会話の流れとして、この質問はごく自然な展開でしょう。
しかし、バンドをやって十数年経ちますが、未だにこの問いに対する明快な答えは見つかりません。
ちなみに、今聞かれたとしたら、こう答えるでしょうか。
僕 「ええと、ロック・・・?」
相手 「・・・ロ、ロックて・・・(苦笑)」
あからさまに困る相手。いや、「?」も含めて、自分の中では的確な答えなんですけど・・・。
質問したヒトが求めていた答えは、きっとこんなでしょう。
「そうっすねぇ、70年代を匂わせる渋めのロックといったところですかね」
とか、
「レッド・ツェッペリンみたいな感じ?もう僕なんかペイジばりにリフ弾き倒してますわ」
とか、さらには
「ええ、ハードロックですね!(右手はサムアップしながら)」
とか。
これまでに何度か、そんな説明を試みたこともあるのです。
ところが、いざ思いつく年代やバンドを話に出してみると・・・それらは世間的にはだいぶマイナーらしく、ほとんどの方が知らないのです。さんざん妥協して、相手が知っているバンドにようやくたどり着いたとき、そのバンドと自分のバンドとはだいぶ違うことに気付き、愕然とするのです(笑)。
それなら、ジャンルでなんとか説明できまいかと・・・。ハードロックやメタル、パンクといったような、割と分かりやすいジャンル名で括れれば、音楽に造詣の深くない方でもイメージが沸きやすいのではないかと。
しかし、自分がやっている楽曲は、そう簡単に説明はつけられないのでした(少なくとも作った自分の中では・・・(笑))。これまでにはないものを作ったつもりなのに、既にあるもので説明しろと言われてもな~・・・というジレンマがあるのです。
(コンパで盛り下がることを恐れながら)そこで確実に言えるのは「ロックである」という一点だけなのでした。
しかし、前述したとおり『ロック』という単語が指す音楽はあまりに広く、何の説明にもなりません。いつかのパンク・ロッカーみたいに「ロック(という言葉)はもう死んだ」とでも言いたいところですが、実際のところの『ロック』は、あまりにも漠然と、音楽シーンに横たわっているといった感じでしょう。
例えるならば僕にとって「ロックって言ったって、どんなだよ?」と聞かれたときの気持ちは、
いわば『漠然と「鍋が食べたいな・・・」と呟いたとき、不意に「鍋って言ったって、何鍋だよ?」と聞かれたときの気持ち』と同じなんです。
鍋なら具材の名前でいいでしょうが、ロックじゃそうもいきますまい(苦笑)。
だから僕は「ええと、ロック・・・?」と答えます。
それでも「では、ロックとは何ぞや?」と禅問答風に問うならば、
「ええと、それはぼく今探してますのん」と答えるでしょう。
それでも、と聞くならば・・・
僕らのバンドのCD買ってください。それが一番早い(笑)。
というわけで、バンドのオフィシャルHPはこちらです。(結局宣伝かい)
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